
こんな電話機が、子供の頃、我が家にやってきた。
その時に、電話機というものを、たぶん初めて見たのだろう。
使い方もよくわからなかったが、親が、右手についているハンドルをグルグル回したあと、誰かと喋っているのを見て、そのうち覚えたのだろうか。何度か使った記憶がある。
グルグルハンドルを回すと、どこかにいる女性の交換手さんが、「はい。何番につなぎますか。」と言ってくれるので、「えーと360番お願いします。」などと言うと、「はいわかりました。」と言って繋いでくれるのである。
電話交換手は、当時、きっと花形の職業だっただろう。今の携帯の世の中と比べると、なんと穏やかで、優雅で、やさしく、思いやりにあふれた時代だったんだろう。
この電話の次に登場したのが、ダイヤル式の電話機だ。これは交換手を介さず、直接、掛けたい相手に繋がるという画期的な電話機だった。
我が家の電話機に貼り付けられた番号には、親父が書いた語呂合わせの言葉が、上と下に書き込まれていた。
419・・・ヨイコノヨウイク
この言葉を思い出すたびに、仕事に子育てに奮闘する親父の姿が懐かしく蘇る。
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